雨降り王子は、触りたい。




私は衝撃のあまり、その場で硬直した。

なんでまた泣いてるの…?

驚きを隠せていない私に構うことなく、三咲はメガネを外しゴシッと腕で涙を拭う。



メガネをかけ直した三咲は再びこちらに視線を向けたかと思うと、いつもの如く冷たい声を発した。



「話しかけんなって言ったよな?」

「ご、ごめん」



反射的に謝った私は、三咲から目を逸らす。
これ以上、三咲の涙を見たくなかったから。



すると三咲はこちらにくるっと背を向け、そのまま1歩を踏み出す。

きっとこの場を去るつもりなんだろう。