雨降り王子は、触りたい。




結果がうまくいくことだけが大切なんかじゃない。

がんばる過程にも意味はあって。

たくさん寄り道した分だけ、得られることも多くなる。

勇気を振り絞ることは、きっと自分を強くする。

想いを伝えた萌絵ちゃんは、私なんかよりずっと強い。



「……これ、送ろうか?今の萌絵より全然可愛いけど」



市川はそう言うと、再びスマホの画面をこちらに向けた。

映し出されるのは、小さい萌絵ちゃんがボサボサの寝癖頭で大号泣している写真。



「余計なお世話だわ」



突っぱねるような言い方をした萌絵ちゃんは……なんだかキャラまで変わってしまった気がする。

だけどなんか、こっちの方が好きだな私。

と、萌絵ちゃんは何かを思い出したようで、目を見開いた。

そして広場の真ん中にある時計に目をやると。