雨降り王子は、触りたい。




いつも突っかかってくる時のようなトーンの言葉に、私は思わず面食らった顔をした。

そんな言葉を受けた萌絵ちゃんは、不貞腐れたような表情を浮かべる。



「……思わない」

「でもまぁ素直に行動できなくなるのは、わかる」



……私も、よくわかる。

三咲のこと、好きだって思うたびになんだか小っ恥ずかしくて。
思ったことがすんなり口から出てくれなくて。

自分をうまくコントロールできなくなるんだ。



「もし私が最初から素直に伝えてたら、振り向いてくれた?」



萌絵ちゃんの言葉に、三咲は一瞬考えるような素振りを見せると。



「……ごめん。やっぱ俺、そいつしかダメだわ」



少しだけ口角を上げた。

そしてぺこり、頭を下げる。