雨降り王子は、触りたい。




萌絵ちゃんが口にしたのは、なかなか言えずに秘めている私と同じ気持ち。

萌絵ちゃんの背中が、先ほどまでより大きく見えて。

私は思わずごくりと唾を飲んだ。



────すると。

三咲は一歩前へ足を踏み出して。
萌絵ちゃんの真ん前にに立つ。



「……ごめん。俺、大事な子いる」



澄み切った瞳に萌絵ちゃんを映して。
三咲は、そう言った。

私はただただその光景を眺めている。



「………だよね」



萌絵ちゃんが零すと。

三咲は目を細めて、再び口を開いた。



「っていうかこんなことされて、政田のこと好きになると思う?」



えぇっ、急にストレート!