雨降り王子は、触りたい。




爽やかなファッションの三咲を足元から舐めるように見上げると、そこにあるのはものすごく険しい顔だった。

明らかに不機嫌な三咲は、萌絵ちゃんの背後に立つ。



「……!!!留衣くんっ」



気配を感じ振り返った萌絵ちゃんは、ようやく三咲の存在に気付いて。

ただでさえ高い声のトーンをさらに上げた。



「なんでここに!?」

「いや、あんたと話そうと思って。もしかしたらここにいるかもって」



三咲の言葉に、萌絵ちゃんは目を左右に動かす。

……なんか、急展開。
まさか三咲までここに来るなんて。

私はいまだに状況について行けず、ただただ瞬きを繰り返す。



萌絵ちゃんも同じように、丸い目をパチパチさせていて。

何度か繰り返すと、にこり。その目を三日月の形に変えた。

そしてくるっと方向転換をして。