雨降り王子は、触りたい。




……なに?"私のこと怒らせたら、バラす"って。

バラしても、自分は痛くも痒くもないからって。

市川と萌絵ちゃんの小さな音量でのやりとりに、私の眉はピクピクと痙攣する。



三咲はどんな思いで過ごしてると思ってんの?

なんで平然とそんなことが言えるわけ?



あー、なんかもう……

─────腹立つ。

ぷつん。
私の堪忍袋の緒は音を立て、ちぎれた。



ラヴ・アラモードの前。

私たちの後ろにも当然、カップルは並んでいる。

私は煮えるような感情を抑えながら、口を開いた。



「………あのさ、」



前に立つ市川を避け、一歩を踏み出す。



「……三咲のこと、どう思ってるの?」

「それは〜、」