雨降り王子は、触りたい。




「って………え!?雅近!?」



市川に気付いた萌絵ちゃんは、これでもかというくらい目を見開いた。

幼馴染とはいえ、2人は中学に上がるタイミングから顔を合わせていないわけで。

……そりゃあびっくりするよね。



びっくりした顔のまま立ち尽くしている萌絵ちゃんは、しばらくすると。

にこり、不敵な笑みを浮かべた。



「……絃ちゃん、やるなぁ。ふたまた?」



そんな風に嫌味を吐き捨てた萌絵ちゃんに、鋭い目を向けると。

火花を散らす私と萌絵ちゃんの間に、市川が割って入った。



「ねぇ、少し話せない?」

「無理だよ、バイト中だし」

「休憩、何時から?」

「なんなの、文句言いにきたの?……いいよ。私のこと怒らせたら、留衣くんことバラすから」