せっかく久しぶりに三咲と話せたのに。 どうも気分が晴れない。 「……そろそろ帰るか」 そう言って三咲は、ベンチに手を付いた。 ……ねぇ三咲。 萌絵ちゃんのこと、このままでいいわけないよね? だけど。やっぱり私が踏み込んでいいような話じゃ、ないかな? 「うん……。帰ろっ」 私は言葉を飲み込んで、立ち上がる。 すると遅れて立った三咲が私の身長を追い越して。 どきりと、心臓が揺れた。 「私に避けられて寂しかったんだ?」 それは照れ隠しで言った、冗談だった。