せっかく久しぶりに三咲と話せたのに。
どうも気分が晴れない。
「……そろそろ帰るか」
そう言って三咲は、ベンチに手を付いた。
……ねぇ三咲。
萌絵ちゃんのこと、このままでいいわけないよね?
だけど。やっぱり私が踏み込んでいいような話じゃ、ないかな?
「うん……。帰ろっ」
私は言葉を飲み込んで、立ち上がる。
すると遅れて立った三咲が私の身長を追い越して。
どきりと、心臓が揺れた。
「私に避けられて寂しかったんだ?」
それは照れ隠しで言った、冗談だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…