雨降り王子は、触りたい。




休み時間の廊下は騒がしい。

人をかき分けながら、全力で走る。


階段を駆け下りるとすぐに、1階の男子更衣室に辿り着いた。
その手前で足を止め、乱れた呼吸を整える。


……ハレロハレルヤソラソラルン!


────これは、快晴レッドの得意な回復呪文。

私は心を落ち着かせたい時いつも、これを心の中で唱えるんだ。


ハレロハレルヤソラソラルン、ハレロハレルヤソラソラルン……


何度か繰り返していると。



「あっ」



無駄に目立つ金髪が、扉から姿を現した。

明らかに三咲と、目があったと思う。
だけど。


────ふいっ


奴はわかりやすく目を逸らした。