雨降り王子は、触りたい。




まさか……ね。

背中しか見えなかった。
だけどなんだか、嫌な予感がした。



次の日留衣に問い詰めたけれど、案の定口を割ってくれなくて。

何か知ってるんじゃないかって、絃ちゃんとファミレスに来たものの。



「……詳しく話すと。キスをしたのは留衣の意思ではなかったんだ」



─────この話をすることになるなんて。



「……え?」



絃ちゃんはそう漏らすと、口がポカンと開いたままになっている。



「……キスしてしまったのは、俺のせいなんだ」



口に出すと罪悪感が膨らんで、息が苦しい。

店内には俺たちの空気に似つかわしくない、ポップなBGMがエンドレスで流れている。