雨降り王子は、触りたい。




うちのクラスの女子はみんな仲が良い。
それはいいことなんだけど…
そのせいもあって、イタズラの度が過ぎることが多々ある。



「私カメラ係する〜証拠は収めないとね♪」

「よし任せた!」



…もうこれは、止められないパターン。
悪ノリは、やると決まれば必ず決行される。



三咲、大丈夫かな……



そんなことを思ったけれど。

私がアイツのこと、気にする必要なんてひとつもない。



だって私は、三咲とはもう関わらないって決めたんだもん。

舌打ちするし、無視するし、態度悪いし。

だけど…


『…誰にも言うなよ』


昨日の三咲の揺れる瞳を思い出すと、どうしても胸が苦しくなってしまう。