雨降り王子は、触りたい。




「えぇ、ちょっと待っ…」



何が起きてるの………?

伸ばした手は、行き場をなくして宙に浮いている。

そのまま立ち尽くす私。

小さくなっていく三咲の背中を、ぼーっと眺めていると。



「あの、」



店員さんの声がして、私はようやく我に返った。



「す、すみませんっ」



急な出来事に、頭の中がぐちゃぐちゃだ。

だけど…ぼーっとしている場合ではない。



私はペコリと頭を下げると、三咲を追うようにしてその場を後にした。



今日の三咲は、ずっと普通だった。
店までの道のりも、並んでいる時も。

考えられることといえば─────