雨降り王子は、触りたい。




「次にお待ちのカップル様〜」



これまでとは違う、高い声が鼓膜を震わせた。

刹那、その声の主である店員さんが店から顔を出す。



アヒル口で可愛らしいその女性は、フリルとリボンがたくさんあしらわれたラブリーな制服がとても似合っていて。

かわいい人…と見惚れていると。

突然その店員さんは、それまでの笑顔を崩した。



「……留衣くん?」



再び高い声が空気を揺らす。

同時にピタッと動きを止めた店員さんは、目を丸くした。



………"留衣くん"って。
三咲の知り合い?


隣に目をやると。



「え…み、三咲?」



そこには石像のように固まる三咲がいた。