雨降り王子は、触りたい。




「メガネ…」



どうやら、三咲のメガネが私に装着されたらしい。

聞いた通りそれはダテメガネで、度は入っていない。



ドクン、ドクン………

異様な速度の心拍は、落ち着くことを知らない。

…だって、レンズを挟んだって三咲の素顔の破壊力はすごくて。

得意げに笑う姿は、可愛いって思わない方が難しい。



でも、なんで私にメガネ…



「それ、」



三咲が指を刺したのは、私の腕にかかっていた袋。



……そうだ。私、さっきの男に、快晴レッドのお面買ってもらったんだ。

それがきっかけで、あんなことになってしまったのにも関わらず、そんなことはすっかり頭の中から飛んでいた。

っていうか私、あんな状況でも手放さずにお面を死守してたんだ…。

苦笑いを浮かべていると。