雨降り王子は、触りたい。




「とにかく、ここから出よ。」



三咲が、への字に結んでいた口を開く。



「…どこ行くつもり?」

「校舎裏」



─────校舎裏。
それは私たちが、初めてちゃんと話した場所だ。

たしかにあそこには、人はいないと思う。



だけど…そこに行くには、ここからだと運動場を通らないといけない。

そこでは生徒会のお祭り屋台が開かれているから、たくさん人がいる。



三咲は私の手を取り、再び歩き始めようとするけれど。

手繋いだら………



「ダメだってば!」



私は足に力を入れ、その場に留まった。

すると繋がれている手はピンと張って。
三咲は反動で、後ろに転倒しそうになる。