雨降り王子は、触りたい。




「……い、妹が欲しがってて」



私は咄嗟に付け足した。

…やっぱり、意気地なし。
好きなものくらい好きって、堂々としていればいいのに。

情けない自分に呆れていると。



「200円です…」

「えっ」



────200円。

会長の言葉に私はようやく冷静さを取り戻した。



そうじゃん、当たり前じゃん。
お金払わなきゃじゃん……!

突然目に入った快晴レッドに、周りが見えなくなっていた。

私のバカ!



「す、すみません〜」



私はへらりと笑って、頭を掻いた。
そして自分の手元に目線をやると。

……そうだった。

今私の手の中にあるのは、裁縫道具だけ。
お金を持っていないことを思い出す。