雨降り王子は、触りたい。




「あっ」



料理の盛り付け場で、クラスメイトが声を上げた。

どこかで衣装のスカートを引っ掛けたらしく、破れてしまっている。

それはそれは裾から太ももの付け根くらいまで、大胆に。




「これじゃ接客できないね…ちょっと私、裁縫道具借りてくるよ」

「ごめん〜、助かる!」



手をつけていた、"青いゼリーのフルーツポンチ"の仕上げを終えると、私は立ち上がった。



一面が青だった教室を出てると窓から入り込む陽が眩しくて、本当に海から出てきたみたいな、不思議な感覚に陥る。

なんか、現実って感じ。



とはいえ今日は文化祭。
いつもの校内とはまるで違っている。

色んな格好をしてはしゃぐ生徒が至る所にいて。

お祭り気分で周りが見えていないカップルが、イチャイチャと歩いて来たのを避けると。



"クイズ大会実施中!!!"

太い字で書かれた看板が目に留まった。