雨降り王子は、触りたい。




一面段ボールだった景色からは、市川が現れて。

隣を見れば。



「み、三咲っ」



のえるの分の段ボールを持つ、三咲がいた。



「俺が持つ。」



不意打ちの優しさに、きゅうっと胸が苦しくなる。



「ありがと……」



軽々と段ボールを持つ三咲の腕は、細くて白いけれど筋張っていて。

やっぱり男の子なんだって実感する。



「…あ、でもこっちに歩いて来てたってことは、どこか行くところだったんじゃ」

「別にいいよ、後で行くし」



私が言い終わる前に、三咲はいつも通り無愛想にそう言った。