雨降り王子は、触りたい。




あー……もう。わけわかんないんだけど。

なんでこんな、感情振り回されてんの。

俺はまとまらない気持ちを誤魔化すように、首をブンブンと横に振る。
そして乱れた髪をぐしゃり、手で掴むと。



『ねぇ留衣。わざとだって言ったら、怒る?』



またチカが、突拍子もないことを言い出して。



「………は?」



俺は、目を丸くした。



『俺が絃ちゃんに近いとさ、留衣が嫌だって思うんじゃないかなって。わざと、近付いてたんだよ。』



……今度こそ、意味がわからない。

ただでさえぐちゃぐちゃなこの状況をさらに乱すようなこと、言わないでよ。