雨降り王子は、触りたい。




1ミリたりとも動かないその姿に、徐々に心配が募り始める。



え、い、生きてる……?

たまらなくなった私は静まり返った空気を破った。



「だ、大丈夫?」

「…」



声をかけても反応を示さない三咲に、ハッと和佳の言葉を思い出す。



『軽く肩に触れた子がもう、ものすごい顔で睨みつけられたらしい』



……もしかして私、ピンチ?

今のは、軽く触れたなんてもんじゃない。
思い切り、全身で衝突してしまった。



サーッと顔の色が青くなっていくのを感じる。

三咲、きっとキレてるんだ!
怒りで顔を上げることすらできないんだ…!



このままだと私、殺られるかもしれない。