雨降り王子は、触りたい。




「……もうっ!!!」



のえるは自分を包む灰色の霧を払うように、首をブンブンと振った。



「遊ぼう、和佳、絃!なんか、パーっと美味しいもの、食べよ!!」



…たしかに。
美味しいもの食べたら、このモヤモヤは消えるかも。



『空腹には雨雲がやってくる!元気でない時こそ食べて、体も心も快晴!!!』



───そう、快晴レッドだって言ってたし。



「私も、なんか食べに行きたい」



私が深く頷くと、和佳はふわりと笑った。

そして相変わらず綺麗にネイルが施された手を、ぽんっとのえるの頭に置いて、口を開く。



「何食べに行こっか?あの抹茶パフェの店の近くなら…盛り盛りクリームのパンケーキ屋さんあったよね?」