雨降り王子は、触りたい。




ぐっと握り拳を作って、三咲に目を移した。
そして無理矢理笑顔を貼り付ける。



「がんばって」



すると1週間ぶりに、三咲と目が合って。



「…うん」



ズキンズキン────胸が一層強く響いた。



「頑張ることじゃないよー、楽しもうよ」



市川は三咲の肩をポン、と叩く。



…そうじゃん。

合コンで三咲にいい人ができたら、きっと市川が私にちょっかいを出すことはなくなる。

それに三咲もカップルカフェ行くことだってできるし、もしかしたら自然と体質がなおるかもしれないし。

うん。いいことしかないじゃん。
いいことしか…

自分に言い聞かせていると。