雨降り王子は、触りたい。




腕を組み、悶々と思考を巡らせながら歩く。

三咲にムカつかずに済む方法を探すけれど、やっぱりそれは、なかなか見当たらない。

結局1番いい方法は…"関わらないこと"なんだと思う。



……決めた。

私は1人、深く頷く。

もう、いくらムカついても、三咲には関わらない。つっかからない。怒らない。

きっとそれが私のためであり、三咲のためにもなるはずだ。



「…よし!」



これからの方向性を決めれば、なんだか少し心の中のイライラが小さくなった気がする。

清々しい気持ちで足を進めていると─────その時。