雨降り王子は、触りたい。




「チカ、つめて」

「はーい」



そう促された市川は、杉山を奥へ押しやる。



たしかにまた、手前の2人を立たせて奥まで行くのはめんどくさい。

パフェは食べ終えているし、元の席に戻る必要はあまりないのかもしれない。

だけど…



─────ドキッ



私の向かい側に腰を下ろす三咲をぼーっと見ていると、今度こそしっかり目が合って。

わかりやすく心臓が跳ねた。



「ど、どうも…」

「なんだそれ」



うるさい心臓を誤魔化すように言うと、三咲はほんの少しだけ笑った。