雨降り王子は、触りたい。




アイツが先に話しかけてきたよね……?



「そっちが、」

「行くよ絃っ」



私の声に重なるように、和佳の声がした。

和佳は、私が今にも三咲に飛びかかりそうになっている様子を見兼ねたようで。



「ちょ、和佳!」

「もう授業はじまるから移動しようね〜」



私の腕は和佳に捕まれ、ずるずると引きずられていく。

くそーーーー!!!



私はどちらかというと、思ったことをはっきりと口に出すタイプだ。

だけど今までずっと、私なりに我慢をしていた。
ほとんど毎日、英語と数学のたびにすれ違って、その度にムカついたけど、耐えてきた。

…やっぱり、相手にするんじゃなかった。まさか無視されるなんて。

…………ほんっと、腹立つ!!!!!!