「絃ちゃん、あのね」 「…うん」 「留衣の涙は、触れた時間とか面積によって量が変動するの。」 それは物柔らかな口調で紡がれた。 触れた時間とか面積によって量が変動…。 だから、ほんのちょこっと指が触れてしまった今は、すぐに涙が止まったってこと…? たしかに前に全身でぶつかった時や、腕を掴んで走った時は、今より長い時間涙は流れていた。 そういうこと、なんだ……。 私たちは教室の端っこでしゃがんだまま。 少し変な状態だけれど、周りは特に気にする様子もなく休み時間の喧騒に包まれている。