掘れと言ったのはそっちでしょ。と、振り返ると幽霊の姿は消えていた。
「え?どこ行ったの?地縛霊なのに、どっか行っちゃった?いや、それとも……成仏?」
やめてくれーという言葉を最後に、天に昇って行った?
剣を抱えて首をかしげる。
『あー、抱きしめられるのも悪くはないんだけど……、剣で地面を掘り返そうとするのはやめてもらえないか?』
は?
抱きしめ?
顔をあげると、目の前にイケメン幽霊の顔が!
「ひぃっ!」
驚いて後ろに飛びのくと、出っ張っていた石にけっつまづいてしりもちをついた。手にしていた剣がひゅんっと、イケメン幽霊ともに飛んでいく。
あああああ!地縛霊じゃなくて、あの剣に取りついてたのか、あれ……。
やばいかも……。背中につつーっと冷や汗が垂れる。
取りついてしまうほど、こだわりを持っている剣を、スコップ代わりに地面を掘り返そうとした挙句、今、乱暴に投げ捨ててしまった。
大切にしてるものに何をするーと、霊が怒りに満ちて豹変する可能性……。
■
『あ、ほら、ちょっと見えてる。それそれ、それだよ、掘り出して』
イケメン幽霊の言われるままさっき掘ったあたりをしゃがみ込んで土をかき分ける。
怒ってない?怒らせないように、とりあえず言われるままに行動。
「これかな?」
土まみれになった手。ああ、爪の中にも土が入り込んでるよなぁ。……いくら美容に気を使わない三十路喪女とはいえ、不潔にしていたわけじゃない。爪の中の土は嫌だなぁ……。手を洗いたい。
掘り出したのは金属の鎖がついているロケットペンダント……にしてはやけに大きい丸い蓋がパカッと開く直径10センチ、厚み2センチほどの丸い金属の容器。携帯灰皿よりも大きいかな。
『そう、その鞄』
鞄?直径10センチ、厚み2センチの金属のこれが?いや、飴玉くらいしか入らないでしょ。あ、そうだ。浅田○みたいなのど飴の入った缶っぽいな。開け方はロケットペンダントみたいに開いて開ける分開け閉めはしやすいから物は出し入れしやすいのか……でも、飴玉くらいしか入らないこのサイズで鞄って……。
『あー、まずはそうだなぁ、お腹空いてない?』
……やっぱり、飴玉が入ってるんですね。飴玉用鞄。はい、そう思うことにしましょう。
「300年前の飴玉……」
「え?どこ行ったの?地縛霊なのに、どっか行っちゃった?いや、それとも……成仏?」
やめてくれーという言葉を最後に、天に昇って行った?
剣を抱えて首をかしげる。
『あー、抱きしめられるのも悪くはないんだけど……、剣で地面を掘り返そうとするのはやめてもらえないか?』
は?
抱きしめ?
顔をあげると、目の前にイケメン幽霊の顔が!
「ひぃっ!」
驚いて後ろに飛びのくと、出っ張っていた石にけっつまづいてしりもちをついた。手にしていた剣がひゅんっと、イケメン幽霊ともに飛んでいく。
あああああ!地縛霊じゃなくて、あの剣に取りついてたのか、あれ……。
やばいかも……。背中につつーっと冷や汗が垂れる。
取りついてしまうほど、こだわりを持っている剣を、スコップ代わりに地面を掘り返そうとした挙句、今、乱暴に投げ捨ててしまった。
大切にしてるものに何をするーと、霊が怒りに満ちて豹変する可能性……。
■
『あ、ほら、ちょっと見えてる。それそれ、それだよ、掘り出して』
イケメン幽霊の言われるままさっき掘ったあたりをしゃがみ込んで土をかき分ける。
怒ってない?怒らせないように、とりあえず言われるままに行動。
「これかな?」
土まみれになった手。ああ、爪の中にも土が入り込んでるよなぁ。……いくら美容に気を使わない三十路喪女とはいえ、不潔にしていたわけじゃない。爪の中の土は嫌だなぁ……。手を洗いたい。
掘り出したのは金属の鎖がついているロケットペンダント……にしてはやけに大きい丸い蓋がパカッと開く直径10センチ、厚み2センチほどの丸い金属の容器。携帯灰皿よりも大きいかな。
『そう、その鞄』
鞄?直径10センチ、厚み2センチの金属のこれが?いや、飴玉くらいしか入らないでしょ。あ、そうだ。浅田○みたいなのど飴の入った缶っぽいな。開け方はロケットペンダントみたいに開いて開ける分開け閉めはしやすいから物は出し入れしやすいのか……でも、飴玉くらいしか入らないこのサイズで鞄って……。
『あー、まずはそうだなぁ、お腹空いてない?』
……やっぱり、飴玉が入ってるんですね。飴玉用鞄。はい、そう思うことにしましょう。
「300年前の飴玉……」


