冷めない熱で溶かして、それから。



「先輩、この後はどうするんですか?」
「この後?とりあえず制服に着替えるかな」


 今度こそ、ちゃんと制服に着替えてから教室に戻らないと。

 そのため一度、空き教室に戻ろうと思っていた。



「着替えたらそのまま帰りますか?」
「たぶん帰らない……かな?」


 衣装合わせは準備のモチベーションを上げるためでもあり、どちらかといえばオマケに近い。

 だからこの後はいつものように文化祭の準備が待っているはずだ。


 璃花子ちゃんも今日は遅くまで残れるって言っていたし、私も残るつもりでいた。



「なんだ、先輩と一緒に帰れるかと思ったのに」

 
 松野くんは唇を尖らせて、拗ねたような表情を浮かべる。

 うっ、かわいい……それほど私と一緒に帰りたいって思ってくれているのかな。