「たぶんあれ、次はヤレると思う」

「うわぁまじか、羨ましい。あの子、可愛いし当たりだったな」

「俺が狙いたかった!」


 今井先輩を含めた三人組の男の人たちを校舎で見かけ、今日は一緒に帰りたいと直接先輩に伝えようと、後を追ったのが間違いだった。

 校舎裏で楽しそうに話していた先輩の表情からは、いつもの優しさは感じられず、どこか冷たかった。


「ああいう男を知らない純粋そうな女って扱いやすいよな」


 純粋そうな女……それって誰のこと?

 盗み聞きするのは嫌だったけれど、それ以上に話の続きが気になってしまう。


 何だか嫌な予感がする。
 それなのに、足は動かない。


「あーあ。遊ばれてるって知ったら泣くだろうな、その子」

「傷心中のその子を、今度は俺たちのどっちかが狙うっていうのは?」

「おお!それはいい考えだな!」


 先輩と一緒にいる男の人たちが盛り上がる中、先輩はようやく口を開いた。