冷めない熱で溶かして、それから。



「終わりましたよ、先輩」


 少しの間、松野くんは男の人たちと話した後、私のもとにやってきた。


「あっ、ありがとう……!バレなくて良かった……」

「まあ、そんな格好だと文化祭のネタバレになりそうですからね。女が執事服ってことは、男はメイド服ですか?」

「うっ、鋭い……!」


 だからバレたくなかったのだ。

 女装男装の詳細は明かさず、当日までのお楽しみということになっている。


 空き教室まで借りたくらいなのだ、本気度が伝わってくる……のに私は‼︎本当にバカだ。



「先輩、男装って感じがしないですね」
「えっ……それってどういうこと?」

「女が隠せていなくて、その格好もかわいいです」


 ふっと微笑みながらかわいいと言われたけれど……ぜんぜん嬉しくない!

 むしろ男装にすらなっていないなんて困るよ!