中学生のとき、初めて好きな人ができた。
ひとつ年上の……今井先輩。
ある日怪我をして困っていた私に声をかけてくれたのが始まりだった。
優しくてよく笑う、爽やかな先輩はいつも何かと私を気にかけてくれた。
いつしか先輩を好きになっていて、先輩の特別になりたいと思っていた。
一緒に過ごす日が増えていき、休日に先輩と遊びに行くこともあった。
そんなある日のデートの帰り道に、私は先輩に──キスをされた。
触れるだけの優しいキスだったけれど、私の心は満たされた。
もしかして先輩も私と同じ気持ちなのかもしれない。そんな期待を抱くようになった。
友達には『絶対に両想いだよ!』言われ、想いを伝えるべきだと背中を押され、告白しようと決意した矢先……私は耳にしてしまった。