冷めない熱で溶かして、それから。



「自分でも似合わないってわかってるから、ぜったい来ないでね……?」

「嫌です。先輩の男装なんて、ぜったいかわいいに決まってます」


 目を細めて笑う松野くんはどこか優しげで、ズルイと思った。
 その笑顔は反則だよ……。


「男装してもかわいいなんて嫌だ……」

「先輩を表すためにかわいいって言葉が存在してると思うんで、仕方がないですよ」

「その言い方はもっと嫌だ……‼︎」


 なんだか親バカみたいな、バカップルみたいな、そんな感じがして心の奥がむず痒い。

 どうしてそんな恥ずかしいことを平気で口にできるのだろう。