冷めない熱で溶かして、それから。



「先輩に心配されるのは嬉しいけど、先輩との時間が減るのは嫌なので複雑です」

「本当に?」


 それって本心なのかな。
 私をからかって楽しそうにしているのを見ると、どうしても裏があるように思えてしまう。


「本当ですよ。先輩との時間が一番好きです、俺」


 さらっと、好きとか口にする松野くんはきっと、女の人の扱いが上手いんだろうなと思う。

 そんな甘い言葉に、私はついついドキッとしてしまうのだから。


「そっ、ういえば文化祭だね!もうすぐ!」

 とっさに話を変えたけれど、松野くんにふっと小さく笑われてしまう。


「……かわいい」
「松野くんのクラスは何するの⁉︎」


 ここは強行突破だ。
 恥ずかしさから逃れるために、強引に会話を続けた。