冷めない熱で溶かして、それから。



「家まで送ります」
「そんな、わざわざ大丈夫だよ!」

「何のためにここで降りたと思うんですか」

「でも……後輩の松野くんに送ってもらうのはなんか……申し訳ないというか」

「……俺は後輩の前に、ひとりの男ですよ先輩。それ、わかってますか?」


 ふと、松野くんの声のトーンが落ちた気がする。
 じっと私を見つめる松野くんの表情が、どこか不機嫌そうに思えた。


「松野くん……?」
「あまり後輩扱いしすぎると、今度は噛みつきますよ」

「なっ……⁉︎」


 松野くんは「ここに」と付け加え、私の首筋を指でトントンと軽く叩いた。

 慌てて松野くんと距離をとり、首筋を手で覆い隠す。