冷めない熱で溶かして、それから。



「松野くんはどうして平然としていられるの!」


 怒りたいのは私のほうだ。
 私は巻き込まれている側なのに。

 じっと松野くんを睨む。
 松野くんは急に怒りだした私にびっくりしたのか、目を見開いた。


 けれどすぐに松野くんは口角をあげたから、嫌な予感がした。


「平然って、なんのことですか?」
「それは昨日……昨日、私に……」

 言えない。
 キスをされたなんて、恥ずかしくて言えるわけがない。


「……ふっ、かわいい」


 松野くんは、そんな私を見て意地悪な笑みを浮かべた。
 余計に恥ずかしくなって、ぶわっと顔が熱くなる。