その日から私は、松野くんを避けることにした。

 もう二度と松野くんとは関わらない……!
 関わるのは危険だと認定することにした。


 さっそく行動に移すため、私は翌日から電車を一本早めることにした。

 その結果、松野くんと通学中に会わずに済み、安心していたのも束の間──


「あれ、先輩も帰るところですか?奇遇ですね」

 放課後、駅のホームで松野くんの姿があった。
 完全に油断していた!

 松野くんは偶然を装っているけれど、ぜったいに待ち伏せされていたよね⁉︎


「ま、つのくん……どうしてここに」

「俺も帰る方向が同じなんで、偶然居合わせることぐらいありますよ。どうしてそんなに驚いてるんですか?何かやましいことでも?」


 うっ、言い方に棘が……。

 もしかして怒ってる?
 朝、先に行っちゃったから?