「松野くん、無理は禁物だからね。しばらくは朝もゆっくり登校するべきだよ」


 貧血で倒れるほど無理してほしくない。
 一緒に行けなくなるのは少し寂しいけれど……って、何を考えてるんだ私‼︎

 寂しいと思ってしまったことが恥ずかしくて、ぶわっと顔が熱くなる。


「嫌です、せっかく先輩と過ごせる時間なのに」


 松野くんの手がスッと伸びてきて、熱くなった私の頬に触れる。

 そのまま長い指で頬を撫でられ、くすぐったさと恥ずかしさでさらに頬が熱を帯びた気がした。


「松野くん、そんなに触らないで……っ」

 途中で話を遮ってしまうほど、胸がドキドキして苦しい。
 どうして松野くんはこんなふうに私に触れるのだろう。