冷めない熱で溶かして、それから。



「松野くん、もう起きて大丈夫なの……?」
「先輩が帰ろうとするから無理してでも引き止めます」

「そんな……無理しないで松野くん。それに私、帰ろうとしてないよ?メモを残そうと思って……あ、これ津田くんからだよ」

「結局メモを残して帰ろうとしたんじゃないですか」
「うっ……」


 鋭い……けれど、変に起こしたくなかったのだ。


「だって松野くんの睡眠の邪魔をしたくなかったから……」

「邪魔じゃありませんよ。嬉しいです、先輩が来てくれて」


 本当に嬉しそうに顔を綻ばせる松野くんがかわいくて、キュンとしてしまう。

 かっこいいだけでなく、かわいさも持ち合わせているなんて……松野くんのギャップは胸キュン必須だ。