冷めない熱で溶かして、それから。



 そういえば……以前、駅前で松野くんと話していた女の子たちと同じ人たちな気がする。

 逃げるように横を通り過ぎたから、あまりよく顔は見ていなかったけれど。


 やっぱり松野くんは人気者なんだなぁ。
 確かにあんなかっこいい人、誰も放っておかないよね。


 それよりさっきの女の子たち、松野くんが寝てるって言っていたな。

 寝ていたら差し入れだけ置いて帰ろうと思いながら、そっと保健室のドアを開ける。


 中はとても静かだった。
 保健室の先生はいなくて、松野くんの姿を探すため周りを見渡す。

 保健室にベッドが数台あるうち、一台だけカーテンで覆われていた。


 ここ……かな?

 そっとカーテンに手をかけ、ゆっくりと開ける。
 ベッドには松野くんの姿があった。