冷めない熱で溶かして、それから。




 それ以外、理由は思いつかない。
 日に日に弱っている気がするし、もっと強く止めておけばよかった。


「……わかった、行ってくるね」


 私にも原因がある気がして、保健室へ行く決意をする。

 行く前に璃花子ちゃんに声をかけようとすると、なぜかニヤニヤと笑っていた。


「璃花子ちゃん……?」

「行っておいで芽依。思ったより関係が進んでてびっくりだけど、あたしは応援するよ」

「ありがとう……?」


 私の背中を押すような言葉をかけられた理由はわからなかったけれど、お礼を言って保健室へと向かう。

 保健室に着くと、ちょうど数人の女の子たちがそこから出てくるところだった。


「凪、ぐっすり眠ってたね」
「サボりかと思ったけどほんとに体調悪かったんだ」

「それより凪の寝顔、めっちゃかっこよくなかった⁉︎」


 女の子たちの会話が聞こえ、凪という名前に反応する。
 この子たちも松野くんの様子を見にきていたようだ。