どうやら私は、ひとつ歳下の後輩くんにかなり気に入られ……いや、懐かれたようだった。


 ここ最近、松野くんは毎朝私と同じ電車に乗ってきている。

 最初は元気だった松野くんも、日に日に弱っている気がするため、少し心配だ。


 ちなみに手を繋ぐ行為はあの日以来していない。
 同じ過ちを犯さないように、細心の注意を払っている。


「あの、松野くん」

 一週間が経とうとしていた今日も、松野くんは同じ電車に乗っていた。

 そんな松野くんの瞳に光は宿っていなくて、生気がない。
 目の下にはクマがあるような気がするし、そろそろ本当に倒れそうで怖かった。