冷めない熱で溶かして、それから。



「……はい」

 松野くんはゆっくりと立ち上がり、私と一緒に電車を降りる。

 電車を降りるまでは良かったけれど、ひとつ問題が発生してしまう。


 手を……手を離すタイミングを逃してしまった気がする!

 だって松野くん、引っ張らないと乗り過ごしてしまいそうだったから。


 放っておくわけにはいかないし、かといって私も一緒に乗り過ごすのも……だから結局手を引っ張る選択肢しか残っていなかったのだ。


 いくら早い時間帯とは言え、駅には同じ制服を着た人たちが数人ほどいた。

 はやく手を離さないと……!


 私たちのことを見ている様子はなかったけれど、念のため……そっと手を離そうとしたけれど、なぜか松野くんの手に力が入ってしまう。