冷めない熱で溶かして、それから。



「うん、あと少しで着くよ」
「あー……眠い。今日は早く寝れそうです」

「授業中に寝たらダメだよ?」
「俺が授業中に起きてそうに見えます?」


 ……うん、確かに眠っていそうだ。
 そんな失礼なこと、口にはできないけれど。


「黙ってるってことは、授業中に寝てそうって思われてるんですね」

「そんなこと……!」
「まあ事実なんで平気です」


 事実って……それっていけないことだ。
 松野くんってやっぱり悪い人なのかな。

 良い一面も悪い一面と見た気がする。


「あ、降りよう!松野くん」

 
 話しているうちに、電車が到着してしまった。
 慌てて立ち上がり、松野くんの手を軽く引っ張った。