冷めない熱で溶かして、それから。



 松野くんの大きな手は、私の手を包むようにそっと優しく握ってきた。

 あまりに急なことでおどろいたけれど、無理矢理振り払って起こすようなことはしたくない。


 こうして見ると、やっぱり松野くんって男の人なんだなぁ。
 私の手を握る松野くんの男らしい手を見て思った。


 こんなふうに男の人に手を握られたのは……やっぱりあの先輩だけだ。

 はじめて手を繋いだのも、はじめてのキスも、ぜんぶ弄ばれていた。


 先輩のことを考えないようにしたいけれど、今もまだ私の心は縛られていて、忘れられないまま。


 松野くんは……松野くんは、そんな人ではないと信じたい。

 けれど、どうして松野くんは私ともっと話したいと思ったのだろう。