冷めない熱で溶かして、それから。






 放課後、私は駅へと向かって歩いていた。
 そういえば璃花子ちゃん、今日は彼氏とデートするって言ってたな。

 嬉しそうに話す璃花子ちゃんを思い出す。
 私もいつか、彼氏ができるようになるのかな。


 想像がつかなくて、きっと無理だろうなと早くも諦めモード。

 もしかして騙されてるかもって、すぐに人を疑ってしまうのが癖になっているのだ。


「ね〜、どうして今日は真っ直ぐ帰るの?」
「このあとカラオケ行こーよ」


 駅が見えてくると、駅前で同じ学校の人たちが固まって騒いでいるのが見えた。

 少し離れたところからでも声が聞こえてきて、周りの人たちは迷惑そうな顔をしながら横を通り過ぎていた。