「松野く……ひゃっ」

 首筋を指でなぞられる。
 くすぐったくて、変な声が出てしまった。

「……かわいい声」


 どこか理性の欠いた瞳に捉われる。
 そのままゆっくりと唇を重ねられた。

 角度を変えて繰り返されるキスは深さを増していき、息苦しくなる。


 全身が熱を帯びて、頭がぼうっとしてきた。
 本当はご飯を食べてクリスマスを楽しむ予定だったけれど……このまま、松野くんの甘さに身を任せていたい。


 全身にまわる熱が、私をおかしくさせる。
 まるで溶かされているような感覚。

 次第に思考が鈍くなっていき、欲が出てきてしまう。


「松野くん、もっと……っ」

 もっと、甘く。
 熱は冷めるどころか増していく一方だ。


「……っ、これ以上は煽んなって」

 私たちに余裕なんて言葉はなかった。


 抑えきれない互いの熱に溶かし溶かされ、それから──






END