ただ私もふたりが先輩だと勘違いしていたわけで、結局は同じだ。
「き、気にしないで……！私も先輩だと勝手に勘違いしてて……」
「本当にすみません！ほら、凪も謝れって！」
「……じゃあこの間の態度についても謝らないといけないですね。先輩、タメ口きいてすみませんでした」
「は？この間って？」
「だからお前には関係ねーって」
私に対して軽く頭を下げて謝った彼は、津田くんの質問は軽くあしらっていた。
「あっ……の！本当に大丈夫だから！津田くんも……えっと」
彼の名前は凪、くんで合ってるよね？
けれどいきなり名前呼びって、馴れ馴れしいと思われないだろうか。
初対面の男の人をいきなり名前で呼ぶなんてしたことないし、また睨まれたりしたら怖いなと不安になっていると、彼が口を開いた。
