冷めない熱で溶かして、それから。



「おい(なぎ)!先に行くなよ〜」

 彼の友達だろうか。
 ひとりの男の人が私たちのもとへとやってきた。


「って、この子は誰?」
「……別に、孝之(たかゆき)には関係ねーよ」

「なんだよそれ、余計気になるだろ!凪が女子と話すなんて」


 興味津々な男の人は、彼から私へと視線を移す。


「はじめまして。俺、津田孝之!君はなんて名前?」
「あ……はじめまして!私は神崎芽依です」

「芽依ちゃんか〜!可愛い子だね」
「い、いえ!そんなことは……」

「いや絶対言われ慣れてるよね?こんな可愛い子が同じ学年に隠れてたのか〜」


 津田先輩はとても明るく、さわやかな人だった。
 そんな彼のほうがきっとかっこいいと言われ慣れていて……うん?

 それよりもいま、津田先輩と同じ学年って言わなかった?