「松野くん……?」
「あっ……行きましょうか。私服の先輩も新鮮でかわいいですね」

「ふふっ、私も同じこと考えてたよ。私服の松野くんも新鮮でかっこいいなぁって」


 お互い同じことを考えていたなんて、思わず笑みがこぼれてしまう。


「はぁ……」

 すると突然、松野くんがため息を吐いた。
 どうしたのだろうと思ったけれど、松野くんは私のほうを見ようとせず、むしろ反対方向に顔を向けている。