その日以来、私は電車で彼と会うことはなかった。
璃花子ちゃんに謝られたことを報告したけれど、まだ納得のいかない顔で『一度会ってみたい』と言っていた。
璃花子ちゃんに連れられて三年生の教室に行ったときは、本当にドキドキした。
ひとつ歳上ってだけでこう……すごく圧を感じてしまう。
結局、彼の姿は見つけられなかったけれど。
「芽依、今日お弁当持ってくるの忘れたから購買行っていい?」
「うん!大丈夫だよ」
ある日の昼休み。
お昼を忘れた璃花子ちゃんと一緒に購買へと向かう。
私たちが着く頃には多くの人で溢れかえっていた。
購買のパンはおいしくて人気なんだよね。
私も利用したことがあるけれど、とてもおいしかった。